令和3年5月、最高裁による建設アスベスト訴訟の判決によると、
国は労働安全衛生法による責務を行使しなかったとして建設業務に従ずる労働者等に石綿による健康被害を生じさせたこと、それによる国の責任を認めたとされました。
この判決により、損害の迅速な賠償をおこなうために「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」が成立しました。

石綿給付金の対象となる労働者とは

このいわゆる石綿給付金(アスベスト給付金)制度の支給対象となるのは、以下の3つの条件に該当する労働者等です。

一定の期間、特定石綿ばく露建設業務に従事したもの

昭和47年10月1日~昭和50年9月30日 【業務】:石綿の吹付け作業に係る業務
昭和50年10月1日~平成16年9月30日 【業務】:一定の屋内作業場で行われた作業に係る業務

石綿を吸入することによって発生する疾病にかかったこと

  • 中皮腫
  • 気管支または肺の悪性新生物(肺がん)
  • 著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚
  • 石綿肺(じん肺法に規定するじん肺管理区分が管理2~4である者またはこれに相当する者に限る)
  • 良性石綿胸水

対象になる労働者等の範囲

  1. 労働基準法上の労働者
  2. 省令で定める数以下の労働者を使用する事業の事業主(中小事業主)
  3. 労働者を使用しないで事業を行うことを常態とする者(一人親方)
  4. 2.3.が行う事業に従事する労働者以外の者(家族従事者等)

石綿給付金の支給額

支給額は、石綿関連疾病の区分、症状の程度で規定されています。
また、給付金、追加給付金は非課税で、差し押さえ等も禁止されています。

対象者(疾病の区分等)給付金額
①石綿肺管理2でじん肺法所定の合併症のない者550万円
②石綿肺管理2でじん肺法所定の合併症のある者700万円
③石綿肺管理3でじん肺法所定の合併症のない者800万円
④石綿肺管理3でじん肺法所定の合併症のある者950万円
⑤中皮腫、肺がん、著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚、石綿肺管理4、
 または良性石綿胸水である者
1,150万円
⑥①及び③により死亡した者1,200万円
⑦②及び④、⑤により死亡した者1,300万円

※給付金の支給後に症状が悪化したケースでは、請求に基づき、すでに受給した分との差額が追加給付金として支給されます。

アスベスト給付金の支給を受けるために必要なもの

給付金の支給を受けるためには、その条件に該当するかにつき、厚生労働大臣の認定を受ける必要があります。
実際の認定については認定審査会が行いますが、必要と認めるときは関係人に報告を求めたり、医師の診断を受けさせることもあります。

また、給付金の請求期限内に請求を起こすことも必要です。
請求期限は、石綿関連疾病にかかったとされる旨の医師の診断日または石綿肺にかかるじん肺法の規定によるじん肺管理区分の決定日(死亡した人にあっては死亡の日)から起算して20年以内とされていますので注意が必要です。

※令和3年8月7日現在の情報です。
 最新情報は厚労省HPをご確認ください(リンク先はこちらから)