今年も労働保険の年度更新の期間が近づいてまいりました。
労災保険と雇用保険をまとめた総称が労働保険。
この労働保険は、健康保険や厚生年金保険を総称する社会保険とは違い、
年度ごとに保険料に対する手続きが必要になります。
(年度ごとに更新しなければならないので、年度更新と呼ばれます)
労働保険の年度更新の期間は、原則として毎年7月10日までですが今年度は暦の関係で変わっています。
令和3年度の労働保険料年度更新の期間はいつまでなのか?
労働保険料納付の仕組みと合わせてご説明します。
労働保険年度更新の手続は何をしなければならないのか
まずは、労働保険料の納付の仕組みについてご説明しましょう。
労働保険料は原則として、年度初め(毎年6月1日から7月10日まで)に概算で保険料を算出して納付し、
そして、年度末(3月31日)に確定した労働保険料を計算します。
保険料を払いすぎていた分やもしくは足りなかった分を精算し、
そこからまた翌年度の概算保険料を納付する・・・という手続きの繰り返し、これが労働保険料の年度更新です。
概算保険料とは
労働保険の概算保険料とは、実際に納付金額が確定する前に、
あらかじめ、保険料を見込み額で前払いしておく保険料のことです。
労働保険料は、労働保険関係が成立した時点で雇う従業員の賃金見込み額を元に、
概算保険料として申告する義務があるのです。
この概算保険料は、前年度の半額以上2倍以下の場合を除き、
前年度の確定保険料の金額を今年度の概算保険料として労働保険料を算出することになっています。
確定保険料とは
前年度(もしくは労働保険関係成立時)に納付していた概算保険料の清算をし、
確定した保険料を申告して、保険料が不足していた場合は納付し、
多く払いすぎていた場合は次の概算保険料の額に充当できることになっています。
令和3年度の労働保険料の年度更新期限は7月12日です。
労働保険料年度更新の期間は、毎年原則として6月1日から7月10日とされていますが、
今年度は7月10日が土曜日となっている関係で、期限の方も7月12日までとなっていますのでご留意ください。
雇用保険料の最新動向もチェック
新型コロナウイルス感染拡大により、雇用調整助成金が創設され、多くの企業へ支給されました。
この支給されたお金の出どころはどこかというと、企業から集めている雇用保険料。
今、この雇用保険料率が引き上げられようと財務省の部会で提案が行われているのです。
雇用保険料から雇用調整助成金として支出されたとみられる金額は3兆円を超える勢いで、
財政のひっ迫は明らか。
財務省では雇用保険料の引き上げを検討しているとのことです。
しかし、雇用保険料が引き上げられるとなると、労使は黙っていないでしょう。
実は、雇用保険の財政の仕組みとして、失業等給付はその25%を国庫が負担すると定めているのですが、
この負担の割合は、平成19年度から暫定的に約15年にわたり大きく引き下げられてきているという実態が・・・。
附則ではできるだけ速やかにこの暫定的な引き下げを廃止するとしているため、
ここを突いた労使が、まずは引き下げられている国庫負担割合を元に戻すべきだと声を上げる可能性も大いにあるのです。
今後、雇用保険料の見直しが行われるのか、注目していきたいところです。
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※令和3年5月16日時点の情報です。
法令等情勢は日々変化しますので、情報をご利用の場合は最新の情報をご確認ください。
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