介護事業で、利用者の都合によるキャンセルのため従業員の仕事がなくなった場合はどうする?

こんにちは。佐世保市の社労士、長濱です。
介護事業をされている事業者ではよくあるケースなのですが。

「利用者さんの都合によるキャンセルで、従業員のその日の業務がなくなってしまった!」
「利用者さんからキャンセルが出たので、従業員を休業させたい!」

このようなとき、介護事業者としてはどのように対応すべきでしょうか。
今回は、

  • 介護サービス利用者から利用キャンセルが出た場合、従業員への対応はどうすべきか
  • 介護サービス利用者からの利用キャンセルを理由に、従業員を休業させるためにはどうしたらよいか

以上の2点についてお話してみたいと思います。

利用者都合によるキャンセルの際の従業員への対応

まず、利用者からキャンセルが出た場合に考えられる対応としては、

  • 休業手当を支払う
  • 別の仕事についてもらう、もしくは勤務時間や出勤日を振り替えることを検討し、それが不可能な場合は休業手当を支払う
  • 別の仕事についてもらう、もしくは勤務時間や出勤日を振り替えることを検討するが、それが不可能な場合はそのまま退社してもらう

原則として、従業員が働かなかった日や働かなかった時間については賃金を支払う必要はありません。
(ノーワーク・ノーペイの原則)

ただし、従業員が働かなかったその理由が、「利用者からのキャンセル」という事実だった場合は
どうでしょう。
この理由の場合は、「会社側の都合(使用者の責めに帰すべき事由)」に該当し、
事業主はその従業員に休業手当を支払わなければなりません。
『今日、利用者さんからキャンセル出て仕事なくなったから、帰ってね』では済まないわけです。

会社都合による従業員の休業は休業手当を

介護サービス利用者からのキャンセルが出たからと言って従業員を休業させようとしても、
例えばシフトなどで定めた出勤日を従業員に指示し出勤日が決まれば、
従業員は出勤するために準備をし、働こうという意思を持っていると考えられます。
にもかかわらず、会社側が出勤日の全部または一部を休業させ、
その理由が使用者の責めに帰すべき事由によるものである場合には休業手当の支払いが必要になるのです。
休業手当は、平均賃金の100分の60以上の手当とされています。

ただし、利用者からのキャンセルやその時間帯の変更希望を受けた際、

  • 他の利用者担当として勤務させるなど代わりの業務につかせる場合
  • 始業、終業時刻を繰り上げたり繰り下げたりして勤務時間を変更する
  • 休日を振り替えることで出勤日を変更する

などの対応を取った場合には、休業手当の支払いは必要ありませんが、
上記対応によっては就業規則で規定する必要が生じるために就業規則において注意が必要です。

また、キャンセルの内容によっては、出勤時間の一部を休業させるケースも考えられますが、
実際に勤務した時間について支払われる賃金が1日分の平均賃金の100分の60に満たない場合は、
その差額を支払う必要があります。

コロナの影響もあってか、会社都合による休業手当については従業員とのトラブルになりやすい
事例が増えています。
労務トラブルを未然に防ぐためにも、会社として適切な対応を取っていくことが望まれます。


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※令和3年6月2日時点の情報です。
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