みなさん、こんにちは。社会保険労務士・採用定着士アンバサダーの長濵かおりです。
本日は、このうだるような暑い夏にショッキングなテーマでお届けします。
人手不足で営業ができない、倒産する…そのようなことも珍しくなくなってきました。
2025年夏、高校生アルバイトが“来ない”という現象
飲食・小売で「夏だけ人がいない」問題が深刻化

中でも打撃を受けているのが、飲食店や小売店、イベント系など“夏の繁忙期”に頼りたい業種です。
かつては「夏休み=稼ぎ時」として高校生・大学生のアルバイトで現場を回していた企業も、今年はシフトが埋まらない・営業時間が短縮されるといった実務上の支障が発生しています。
佐世保の町でも「人手不足のため休業します」という張り紙が珍しくなくなってきました。。。
アルバイト応募が減った3つの理由
① 学生の“アルバイト離れ”が加速している

アルバイトをしていない学生の割合は年々増加傾向にあります。
その背景には、保護者の収入回復や「推し活」などの自己投資、さらにはSNSやフリマアプリでの副収入が影響していると考えられます。
「働くよりも、時間を自由に使いたい」という価値観が、若年層の間で定着しつつあるのです。
② 最低賃金アップが「バイト採用の足切り」になっている
昨年度も、最低賃金の大幅引き上げが行われました。
佐世保市でも時給1,000円を下回る求人は減ってきているように見受けられます。
地方でも時給1,000円を下回る求人は激減し、採用コストは確実に上昇しています。
中小企業の中には「時給を上げる余裕がないから求人自体を出せない」と判断するケースもあり、求人件数自体が減少する現象も起きています。
③ SNSやクチコミで“ブラック情報”が即拡散される
応募者は求人票だけでなく、求人票を見た後は企業名で検索してから応募する時代です。
「面接が雑だった」「LINE対応が遅い」「店長が怖い」といったネガティブな情報が、X(旧Twitter)や掲示板、TikTokの裏アカなどで簡単に広がります。
一度でも悪評がつけば、次の応募者は現れません。
中小企業が取るべき現実的な3つの対策
①「求人票の中身」で勝負する
若者に響く求人票は、「時給・シフト」だけではありません。
写真・動画・現場の雰囲気・一緒に働く人の紹介など、“ここで働くイメージ”が持てるかどうかが重要です。
また、「未経験歓迎」など、応募する人によって小さな安心材料も明記すると効果的です。
② 応募後“3分以内対応”で印象アップ
今の若者は「応募したらすぐ反応がある」ことについて慣れてしまっています。
採用のプロから見ると「3分以内に返信対応できれば採用成功率がぐんと上がる」。
応募があったら3分以内に電話する。電話繋がらなければメールやLINE、SMSなど、手軽な連絡手段も活用してみましょう。
③ 若者に伝わる「リアルな魅力発信」を意識する
「まかないが美味しい」「推し活に理解がある」「シフトの融通がきく」といった“ライトな魅力”が、今の若者には刺さります。
インスタリールやTikTokで働く様子を発信している中小企業は、実際に応募数も増加している傾向があります。「人」や「空気感」を見せる発信が、採用の分かれ目になります。
まとめ|「夏だけ人がいない会社」から脱却するには?

2025年の夏は、ただ「求人を出せば人が来る」時代ではありません。
- 学生の働き方の変化
- 最低賃金による採用難
- SNSによる企業の透明性
このような時代背景の中で、“自社の魅力を自ら発信し、すぐに対応できる体制”を整えた会社だけが、選ばれる存在になっていくのです。
と言うより、アルバイト・パート枠は、スポットワークにシフトされつつある、という現実にも目は背けたくないところ。
事実、アルバイト求人は減少傾向にあるということからも、企業があまりにも求人に応募が無いことからスポットワークで人材を確保しているという現実があることを私たちはおさえておかなければいけないと考えます。
「採用のあり方」を根本から見直し、アルバイト採用戦略に注力するか、それとも、業務整理を行いスポットワークで超単発的に仕事を任せられる業務体制を整備するのか。
「夏だけ人がいない」ではなく、「いつでも人が集まる会社」になる第一歩を、今から始めてみませんか?