佐世保市にお住いの方は特に注目している人が多いかもしれません。
それは、IR誘致です。
日本でカジノの開催地として選ばれるのは最大3か所とのこと、
現在は佐世保市を始め、大阪、和歌山で誘致のための準備が進められているようです。

佐世保市においては、県とハウステンボスがカジノを含めた統合型リゾートの誘致を目指し、
その敷地については、ハウステンボス敷地内の一部(30ヘクタール)を候補とすることで基本合意。

昨年2021年秋には、IRが地域経済にもたらす効果など、佐世保市でIR誘致に向けての事業説明会が行われました。

IR誘致において、一般的に経済効果の一つとして、「雇用の創出」というキーワードをよく耳にするようになりましたが、
今回は、失業率と雇用の創出との関係についてお話したいと思います。

企業にとって上げにくいものとは何か?

企業にとって上げにくいものとは何でしょうか?

それは値段です。商品やサービスの料金です。

日本における物価成長率について、政府が目指している数値は2%と言われていますが、
コロナ禍の影響も重しになり、企業が自社製品やサービスの値上げに踏み切れていない現状があります。

企業が値上げに踏み切れない理由は様々だと思いますが、
先日お会いした社長の話では、「値上げをすると顧客が競合他社へ流れてしまう」不安があるそうです。
近年、製品やサービスのクオリティが上がる一方、
「どこで買っても同じ」になってしまい、最終的に顧客判断が「価格」という一択になってしまう。
価格ではない何かで他社と差異化できていなければ難しいのだそうです。

企業にとって上がっていくものとは何か?

それでは、逆に、企業にとって上がっていくものとは何でしょうか?

近年では原材料の高騰に伴い、仕入値などコストが上がっていかざるを得ない状況と言えるかもしれませんが、
ここでは、『人件費の上昇』に注目してみたいと思います。

冒頭でお話した、経済効果の一つとして挙げられていた「雇用の創出」と失業率を例にお話ししましょう。

雇用の創出=失業率の改善か?

ここで考えてみていただきたいのは、
雇用の機会が増えれば、失業率の改善に直結するのか?という問題です。

IR誘致による雇用の創出について、長崎県が試算化したという話題がありましたが、
それによると、新たな雇用の創出は、2万8000人から3万6000人を見込んでいるということのようでした。

それでは、2万8000人の雇用が増えるので、2万8000人の失業者が減るのか?ということについて。

注目したいのは”新たな雇用の創出”という点で、
働く人にとって、新規事業やオープンスタッフの求人って、特に人気がありませんか?
今の職場(人間関係含む)に不満がある、新しい職場で一からやり直したい、今の職場よりも待遇が良い会社へ転職したいなど、その理由は様々ですが、

これは、人気のある職種に、『転職する人』が流れていくという事態を巻き起こす可能性が十分に起こりうるということを経営者トップの方は頭に入れておく必要があるのではないでしょうか。

自社の優秀な社員が引き抜かれる可能性があるということ、
また、外資による潤沢な資金を武器に、地元企業の相場よりも高い給料を設定してきたとしたら…
今後、佐世保県内企業の給料は、人材不足という要因に輪をかけるように、
給料を上げていかなければ求人応募が来ないという状況も考えられ…
すでに対策を考えている経営者の方の話も聞きます。

ただ、働く人の視点から考えると、自分のやりたい仕事やスキルアップを目指して転職できる環境というのは、
人生の生きがいにもつながるでしょうから、総合的に見ると一概に悪い状況とも言えません。
転職を考える人が、自社を見つけてくれる可能性もあるかもしれないのです。

社員に離職されないためのカギは

入社3年以内の企業の離職率は、新入社員が志望する会社を決めるときにチェックしている項目だと言われていますが、
それはなぜかというと、離職率の低さは、職場満足度の表れとも取れるからです。

つまり、社員に離職されない(働き続けたいと同義ですね)職場とは、職場満足度の高い職場とも言い換えることができます。

職場満足度を高めるために欠かせないのは、日々の労務管理です。

目をひくようなインパクトもなく地味ですが、
法令に違反していないか、社員が不満に思っていることで改善できることはないかなど、
日々、地道に積み重ねていくことが職場満足度向上への一番の近道です。

労務管理でお困りごとがあれば、ご相談をお受けしています。
一緒に悩み、解決策を導き出していきましょう。

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